Editor : Shige Okusawa (Acousphere)
ピッキングハーモニクスは人工ハーモニクスなどとも呼ばれていますが、ハーモニクスが出るポイントを左手で押弦することで変化させ、演奏者の望む音程のハーモニクスサウンドを得る事ができるテクニックです。
これによりハーモニクスの音色でメロディを弾く事やできるようになったり、あらゆるコード和音をハーモニクスの音色で発音したりできるようになり、表現の幅がとても大きく広がります。
近年のギタリストはこの奏法を身につけるのが当たり前になってきており、それにより新しい音楽を作っています。
難しいテクニックではありますが頑張って取り組んでください。
■ピッキングハーモニクスの出し方
オープンハーモニクスの項で説明しましたがハーモニクスは弦を等分する場所で発生します。
とくにきれいで大きな音色が得られるのが2等分点です。
まずピッキングハーモニクスの基本はこの2等分点を使ったテクニックです。
2等分点は12フレット上に現れます。
この現象は左手でどのフレットを押さえていても起こり、2等分点は12フレット上に現れます。
例えば2フレットを左手で押弦するとその12フレット上、つまり14フレットの場所に2等分点が現れるのです。
あとはそのハーモニクスポイントに軽く指をふれて、弦をはじくことができればハーモニクスサウンドを得る事ができます。
■人差し指と親指によるピッキングハーモニクス
まず左手で任意の弦、フレットを押さえてください。
その押さえたフレットに12フレット足した場所にハーモニクスポイントがありますので、そこを右手の人差し指の指先で軽く触れてください。
そのままの状態で今度は右手の親指を弦にかけ、そのまま弾きます。
すると澄んだ音色のハーモニクスが発音されます。
この人差し指と親指のコンビネーションによるピッキングハーモニクスが基本のテクニックになりますので、かならずこれからマスターしてください。
■人差し指と薬指によるピッキングハーモニクス
左手で任意の弦、フレットを押さえます。
押さえたフレットに12フレット足したハーモニクスポイントに右手の人差し指の指先を軽く触れます。
そして同じく右手薬指を弦にかけて、弦を弾きますとハーモニクスの音が出ます。
この人差し指と薬指のコンビネーションは前述親指とのコンビネーションよりか繊細なサウンドになります。
薬指の方が親指よりも筋力が弱いのが原因ですが、それゆえにメロディアスなプレイに向いているといえます。
■人差し指と小指によるピッキングハーモニクス by Tuck Andress
この方法はTuck&Pattiのギタリスト、Tuck Andressさんより習った方法で、非常に伸びやかなトーンになりますので紹介しておきたいと思います。
ハーモニクスポイントに右手人差し指の指先を軽く触れるようにします。
右手小指を同じ弦にかけてそのまま弦をはじきますとハーモニクスサウンドが発音されます。
このコンビネーションの利点は人差し指と小指が遠く離せることです。
人差し指が触っている場所に近いところでピッキングする親指や中指のコンビネーションだとどうしても弦を伸びやかに振動させる事ができずに固い音色になってしまいがちです。
ですが小指だと人差し指が触っている場所から離れてピッキングできるので、そのぶん伸びやかでサスティンの長いハーモニクスサウンドを得る事ができます。
また小指は器用な指ではありませんが、非常に力の強い指なのでしっかりと弦を弾く事もでき、大きなハーモニクスサウンドを得る事もできます。
とても良い方法なのでぜひマスターしてください。
■親指と人差し指によるピッキングハーモニクス by Jaco Pastorius
この方法は偉大なジャズベーシストJaco Pastoriusが使っていた方法です。
タイトでアタッキーな音色が非常にかっこよく、Jacoのベースプレイに良くはまっていました。
ギタリストも応用する事ができますので紹介したいと思います。
右手親指の背にあたる部分、もしくは爪の部分でハーモニクスポイントに触れます。
その後人差し指で弦を弾きます。
すると固めでシャープな音色のハーモニクスサウンドが発音されます。
早いパッセージなどを弾くときに向いていますので、テクニシャン系の演奏を演出したいときに絶大な効果を発揮します。
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