Editor : Shige Okusawa (Acousphere)
物置きから数年ぶりにギターを出してきて久しぶりに弾く人や、お父さんが昔使っていたフォークギターが出てきて、それをきっかけにギターをやってみようかな?なんて思っている人は結構いるんじゃないでしょうか。
でも古くなったギターの弦はサビていてちゃんとした音が出ないもの。
それで練習しても上達の妨げになります。
弦を変えたいとは思うけれどどうしていいのやらと思っているみなさんに、写真図解入りで弦の交換を説明しようと思います!
まず交換に必要なものは、ギター、そして交換する新しい弦、弦を切断する為のニッパーです。
弦は楽器屋さんに行けば購入できます。
今回は「D'Addario」というメーカーの「EJ11」という弦を使用。
換える時は必ず6本全て同時に換えましょう。
そうでないと音やタッチにムラが出てしまいます。
ギターのヘッド部分についているペグを回して弦を緩めてゆきます。
回転方向は目で確認しながら回しましょう。
そうすれば過って弦を切ってしまうこともありません。
ある程度緩めればペグから弦を外せるようになります。
また急いでいるときは少しだけ緩めてから、弦を中央からニッパーで切断してしまうという方法もありますが、急激にテンションを下げる為、ギターにとって良いことではないと思います。
取り外した弦はひとまとめにして、そのまま輪ッかを作るようにして巻いておくと捨てる時に便利です。
まずはギターのボディを傷つけないようにしながら端によせてまとめておきましょう。
ペグから弦が外れましたら次はブリッジ側のピンを抜きます。
ピンはとても強い力でささっているように感じますが、実際は弦の引っ掛かり方によって堅くなっています。
この時力任せに抜くのではなく、一度弦を穴の奥の方に送り込むようにして、引っ掛かりを回避してから抜くとすんなり抜けます。
それでも固まってしまっているときはニッパーなどではさんでゆっくり抜きましょう。
とりあえずこれで弦は取り外すことができました。
これでメンテナンスがしやすい状態になりましたので、この機会にボディを乾拭きしてほこりや汗の汚れを落としたり、ネックが反っていないかなどチェックしてみるといいでしょう。
市販のレモンオイルなどを使ってピカピカに磨きあげるのも良いですよ。
弦の後ろの部分には小さなポッチがついています。
このポッチの部分を穴の奥へ送るようにして弦をセットします。
この時そんなにたくさんを送り込む必要はありません。
ポッチを送りこんだら上からピンを差し込んで固定します。
ピンを差し込みましたら少しだけ弦を引き戻してひっかけてあげます。
この作業をしておかないと後でチューニングをするときに、少しずつ弦が戻ってきてしまい、なかなかチューニングが安定しなくなってしまいます。
軽く引っ掛ける感覚でひっぱってみてください。
ブリッジ側の固定ができましたら今度はヘッド側のセッティングをしましょう。
ペグに弦を通しますがこの時弦に十分な余裕をもたせて、たるみの部分を多く作っておいてください。
ペグの部分に最低でも2回以上巻き付くのが理想になりますので、そのくらいの目安でたるみをつくります。
ペグに通しましたら180度ぐらいまで回して弦を折り曲げてひっかけておきます。
ヘッド側のほうにもひっかかりましたので、弦のまん中をつまみあげても弦は外れません。
まん中あたりを引っ張って適度なテンションをかけながら巻いてゆきますと、ペグ側の巻き上げが綺麗にできます。
この時ペグには上から下へ向かって巻いてゆくようにしてください。
弦はハリガネですのでペグに結ばなくても抜けませんので、無理にクロスさせたりする必要もありません。
余りの弦の部分がそのままの状態で巻き上げをすすんでゆきますと暴れてしまいます。
なので僕はいつも上に向かって跳ね上げるようにして曲げてしまいます。
この作業を6本の弦の分くり返していきます。
太い方の弦(6弦)から細い方の弦(1弦)につけてゆくのがオーソドックスなやりかたです。
細い方が切れやすいので、太い方から作業したほうが安心だと思います。
一番切れやすい弦は実は1弦ではなく3弦です。
巻き弦なので一見太そうに見えますが、中の芯になる部分の弦は1弦よりも細くなっていますので、切れやすくなっています。
注意しながら作業してください。
余分な弦はニッパーで切り落としてしまいましょう。
切る時は切り取ってから捨てる部分をつまんでおいて切りましょう。
そうでないと切った瞬間に弦が飛んで怪我をしないとも限りません。
かくいう私も何度か弦が指や手の甲に刺さったことがあります。
切らないでも十円玉などではさんでこすって癖をつけて、かっこいい形で残しておいたり、そのまま残しておいたりする方法もあります。
長渕剛さんがやっているのを見た事ありますが、なんともいえないかっこよさがありますよ。
これでようやく完成です。
あとはチューニングメーターなどを使って正しいピッチにあわせてあげてください。
1本づつ完璧にピッチをあわせるのではなく、全体的に少しずつチューニングをしてゆくと、ひとつの弦だけに無理なテンションがかかって、チューニング中に切れたりすることを防ぐ事ができます。
いかがでしたか?
チューニングというのはギターを弾く前、そして弾くたびに調整しないといけません。
そうでないとギターが気持ちよくなってくれないんですよね。
いまはコンパクトな良いチューナーもたくさんあるので、常にギターとセットで持ち歩いておくと良いと思いますよ!
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