2017/11/12

コードフォームは腕全体をつかって押さえよう!

Editor : Shige Okusawa (Acousphere)
何年練習しても押さえられるコードと押さえられないコードがあって悩みに思う、という人はたくさんいるのではないでしょうか。でも自分にギターの才能がないなんて落ち込んだり諦めたりしないでほしいとおもいます。なぜなら押さえられない理由は握力でも才能でもなく、単純に「腕の使い方」がよくわかっていないからだからです。
違った形のコードフォームを同じ腕の角度のまま弾けるはずもないのです。
コードフォーム毎に押さえやすくできる腕の角度があるんですね。
今回は腕の角度とコードの関係を説明したいと思います。



こちらの写真はフォークなどでも使われるコード「C」を押さえている所を撮影したものです。
このコードフォームはギターの一般的なもち方でそのまま押さえられるようになっています。
ですので写真を見ると特に手首が曲がる訳でもなく、普通にネックを握っていて、自然と指先だけコントロールすれば押さえられています。
このように人さし指が高音弦側を、小指が低音弦側を押さえる形のコードフォームだと、手首での調整はいらないようです。
「C」以外ですと、「Am」や「E」のコードフォームもこの仲間に分類されます 。
続いて小指が高音弦側、人さし指が低音弦側を押さえるコードフォームの例として、「F13th」を例にしてみました。
写真を見ると押さえる場所の形が反対のラインを描いてますよね。
右斜上にむかった図形になっています。
このようなコードフォームでは指の押さえ方が逆になりますので、指先をそれに対応させる為に手首で調整をしなくてはなりません。
写真で見ると腕全体がギターの前の方に出てきて、手首を曲げる形で覆いかぶさっているのがわかると思います。
ジャズで使うテンションコードの類いにはこのような角度になるものが多いようです 。
次は押さえるべき場所が縦一直線のコードフォーム「Gm」。
この場合は中指と薬指を使って押さえていますが、このふたつの指がフレットの際をおさえられるようにする為の手首の角度を作っています。
腕というよりも、脇を開いているのが写真でわかると思います。
このように腕全部を使うというのは、肩の関節まで使って演奏するという事なんですね 。

同じく「Gm」のコードフォームを別の指で押さえてみました。
親指をひっかけて6弦を押さえ、あとは薬指を使っています。
同じコードの別の押さえ方ですが、今度は脇がしまっていて窮屈な肩関節になっていますよね。
親指をうえにまわしてコードを押さえるとこういう肩の角度になる傾向があります。
そして次に注目すべきは手首の角度。
今までと反対に反るような形になっています。このように同じコードでも別のアプローチがあり、そのアプローチ毎に腕全部を使って調節してあげないといけないのです 。
いかがでしょうか?
コードフォームと腕の使い方というのは密接に関係しているという事はおわかりいただけたと思います。
コードは「手」で押さえるものではなく「腕」もしくは「身体全体」を動かし、総動員して形作るものなんですね。
ぜひTuck&Pattiのギタリスト、Tuck Andressさん(我が師匠!)のライブDVDを見てほしいのですが、ステージでの演奏の間にありとあらゆるコードフォームをおさえます。
肩の関節が上がったりギターの持ち方の角度がかわったりとすごい変化をします。
あんなふうに変幻自在に操れるからこそ、あんなにすごい演奏ができるんですよね。
みなさんもコードフォームがうまく押さえられない時は、身体や腕の角度を大きく動かして一番よいポジションを探してほしいと思います!
そうしたらどんなコードフォームも克服できますよ!がんばってください!