2013/01/03

音楽作品づくりにかかせないプリプロ制作について説明します!

Editor : Yohei Aso (Acoustic Sound Organization)

近頃はDAWなどで録音するのが主流になり、個人でも簡単にレコーディングが出来るようになりましたが、みなさんは曲が出来上がるといきなりレコーディングを初めてはいませんか?勿論それでも音源を作る事は出来ますがまずレコーディング前にプリプロを作る事をおすすめします。





プリプロとはプリ・プロダクションの略語で、いわば楽曲の設計図のようなものです。曲のリズム、BPM、流れや決めなどをきっちりと組み立て、一つ一つを決めていくのがプリプロ作りです。僕はLogicで作っているのですが、POPSで活躍しているあるギタリストはなんとGarage Band(MacにプリインストールされているDAWです)で曲のほとんどを作っていました。勿論スタジオで一発録りの音を求めるバンドマンや高品質の機材を使ってプロスタジオでレコーディングしたい方もいるでしょうが、そのレコーディングの前にプリプロを作る事によって楽曲のクオリティが格段にあがるので、レコーディング前に是非プリプロを作ってみてください。今では安いDAWソフトがたくさん販売されています。

プリプロ制作のはじめは、まずテンポを決める事です。ある程度録音する曲が出来上がっているのであれば、テンポを変えて録音し聞き比べてみてください。またこの際に曲のキーを決めてしまうのもいいでしょう。キーによって曲は一緒でも悲しくなったり、明るくなったりするのでいろいろ試してみてください。

次にリズムトラックを作ります。クリックだけを聞いて録音できそうなら特に作らずとも大丈夫です。またドラムを生音で自宅で録音するのは中々難しいと思いますので、打ち込みでも十分だと思います。

バンドスタイルで録る場合はドラム→ベース→リズムギター→鍵盤→ウワモノ→ボーカルなどの順に録っていくのが一般的です。僕はギターデュオなどをよく録るのですが、クリックだけを鳴らして録ってしまいます。多少リズムが揺れていても、あくまでプリプロなのでOKテイクを出してしまいます。プリプロを作る目的はあくまで全体像を見ることなので、細部のずれや音などは無視してしまいます。勿論本番ではきっちり直します。

全体像が出来たら、一曲を通して聞いてみてください。聞いているとイントロが弱かったり、フック(曲の中で何か引っかかるもの)がなくて耳に止まらないつまらない音源になってたりしませんか。そういった場合はアレンジを工夫してみましょう。よくあるアレンジでは転調させてみたり、拍子を変えてみたり、曲を途中で止めたりしてフックをつくっているようです。

またギタリストやピアニストにありがちなバッキングに凝りすぎてしまい、難解になりすぎてメロディがよく聞こえないなんて事もあります。IV-V-Iなどのよくあるケーデンスや単純なトライアドが気持ちよかったりもするので注意が必要です。

曲のアレンジをする際、何かの曲を参考にするのはとても良い事だと思います。自分の好きな楽曲が何故素晴らしいのかをアナライズして、自分の楽曲に取り込んでいければその経験が蓄積して、いわゆる良いアレンジというのが出来るようになってくると思います。パクリはよくないですが、技法を盗むことはどの分野のエキスパートもやってきている事です。なにごとも一流から盗む事が一番の上達方法だと思います。

プリプロ作りは実験と試行錯誤の繰り返しです。しかしそれが良い楽曲のためにもなり、また自分のアレンジの引き出しも増えるので時間をかけて、しっかり作ってみてください!





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