2011/08/25

MARTIN TAYLOR & ULF WAKENIUS LIVE at CottonClub

Editor : Yohei Aso (Acoustic Sound Organization)

先日、東京コットンクラブにてMARTIN TAYLOR & ULF WAKENIUS(マーティン・テイラー&ウルフ・ワケニウス)のDuoライブを見てきましたので、そのレポートをしたいと思います。今回は2daysの後半、ファーストセットを見てきました。













ステージはまずULF WAKENIUSがひとりで出てきて、彼のオリジナルのカリプソをソロで弾き始めました。日本の三味線にインスピレーションを受けて作ったオリジナルらしく、無伴奏スタイルで三味線フレーズを弾いていきます。その際、ギターのサドル部分に紙を挟んで、音をミュートして弾くので、三味線のフレーズを弾いているときは三味線っぽい音に聞こえ、カリプソのリズムが始まるとまるでスティールパン奏者のように聞こえてきて面白い効果を出してました。

Ulfのソロギターの構築方法としては、あまりコードを多用せず、フレーズを弾き、合間合間にベース音やコードを入れていくシンプルなものでしたが、ピッキングのニュアンスでかなり広いダイナミクスレンジを得、また弦を叩いたり擦ったりして生み出すパーカッシブなサウンドでソロギターに厚みを持たせていました。

ULF WAKENIUSが数曲弾き終わると、今度はMARTIN TAYLORと交代し、MARTINのソロのステージです。Europeの上品なJazzを無伴奏スタイルで弾くMARTIN TAYLOR。まず何より音がすごいクリアで甘い!またMARTIN TAYLORはソロギターのときアドリブで聞かせる、といったプレイでは無く、作り上げた完璧なアレンジをそのまま弾くので完成度が高く、その音色と相まって夢見心地の気分にさせてくれます。

MARTIN TAYLORのソロギターは完璧に作り上げられていました。濁りのないコードを使ったリハモと、独立したベース音、そして歌うメロディ。MARTINはソロの際、ピックは使わずに指弾きなのですが、クラシックとは違った指の使い方で、早い曲ではベース音を親指のアップダウンで弾いたり、メロディを歌わすために中指のみで弾いたり等、右手の指の使い方を相当研究していないとあんな風には弾けないですね。


二人のソロステージが終わると、ついにデュオの演奏!二人の白熱したインタープレイが行われます。スタンダードのJust Friendsやヨーロッパの電車に乗っている時に思いついたというLast Train to なんとか(地名だったけど思い出せない…)というジプシージャズ風の弾きまくり系の曲も素晴らしかったのですが、MARTINのオリジナルのTrueをDuo形式で演奏したのは驚きとともに新鮮でした。やっぱりMartinのコードの感性は素晴らしい!

そして最後の曲は、なんとBillie's Bounce!定番のFのブルースですね。たぶんUlfのフレーズ聞いている感じだと、あの人チャーリーパーカー大好きっぽいです。フレーズもBebop感溢れていましたし、パーカーの曲のテーマをいろんな所にちりばめてました。ステージではもう最後の曲だし、ブルースだしで二人ともめちゃくちゃ楽しそうに弾いてる姿が印象的。MARTINは途中でベースラインだけ弾き出して6弦のFよりさらに低い音出そうとしてチューニングさげていったり、Ulfもペットボトルでギターたたき出したり、あげく二人で弾くの止めちゃって、「次は君らがアドリブ取る番だよ」てな具合で観客みたりして、終止スリリングかつエンターテイメントなステージでした。

思い返せばいろいろてんこ盛りなライブでしたが、実際はあっという間に終わってしまったような気がします。もっとDuoの演奏が聞きたかったので、是非二人でアルバム出してほしいです!