Editor : Shige Okusawa (Acousphere)
ギターで伴奏を弾いているときにどうも滑らかに弾けないなあというお悩みがある人は多いのではないでしょうか?
伴奏ではコードフォームからコードフォームへと左手が変化してゆくのですが、押さえる場所が多くて変化が大きいのが問題点。
それゆえにつなぎの部分で演奏が遅れてしまったりするんですね。
これを解決して滑らかに演奏するにはまず、「コード変化の間に起こっているタスクを理解する」ことが大事です。
それではそれについて説明してゆき、滑らかにコードチェンジできるためのイディオムを紹介したいと思います。
演奏がぎこちなくなってリズムが悪くなるのは、コードチェンジの動きが滑らかでないためにリズムをはずしてしまい、コードチェンジに手間どってしまうのが一番の原因です。
ではコードチェンジの中にはどういった動きが含まれているのでしょうか?詳細にわたって考えてみますと下の写真のような手順を踏んで、次のコードフォームへ辿り着いているのがわかります。
Cのコードフォームを押さえているところで説明します。
まずCのコードをおさえている状態です。
しっかりとコードをおさえています。
次のコードフォームをおさえるために左手が離れます。
この「離れる」という動きをタスクの中にしっかりととりいれておくことが重要なんですね。
そして次のコードを押さえます。
これでコードフォーム変化の流れが終了します。
(1)コードフォームを放す。
(2)次のコードフォームを空中で形作る。
(3)コードを押さえる。
という3つの手順を踏んで、次のコードへとつながってゆくことがわかりました。
常にコードチェンジにはこれだけの時間や手間がかかると言い換えることもできますよね。
しかしながら3つの工程では時間がすごくかかってしまうので、この3つの工程を2つの工程にまで圧縮していきたいと思います。
具体的には(1)と(2)の作業を同時に行うという事です。
コードフォームを放した瞬間に空中で次にくるべきコードフォームを形作る。
これができるようになるとコードチェンジが飛躍的に早くなります。
コードを放した瞬間に次のコードフォームを空中にて形作ります。
そしてなかば叩き付けるように次のコードフォームをおさえます。
圧縮には成功しましたが、しかしそれでもまだ2つの工程がありますよね。これを圧縮して更に1つの完結した動きにすることも可能ですが、実はそれだとギターの持っている曖昧な良さが失われてしまうのです。
なので今度はこの2つの動きをどうやって演奏にフィットさせるかという事を考えます。
音楽の3要素のうちで最も大事なのが「リズム」です!
どんな和音だろうとノイズだろうとリズムにのって出てくればそれは音楽に聞こえますよね?
という事でこの2つの工程、「放す」と「押さえる」(Catch&release)という作業をきちんとリズムにのせて行うようにしましょう。
具体的にどのようなタイミングで放して、どのようなタイミングで押さえるのが良いのかというと、最後の拍の裏が良いと思います。
4/4拍子ならば4拍目の裏拍ということになります。
これで演奏してみると、「えっ?これで良いの?だって放している瞬間も右手はストロークしてるから、これでは開放弦の音がでてしまって、楽曲と関係ない和音が鳴ってしまっていけないのではないの?」と思ってしまうかもしれません。
実はこういった関係ない音が入ってくるのがギターらしい音なんです。
特にフォークやロックなどの音楽では、こういう音が大事にさえなってきます。
逆に開放弦の音がならないで、急に次のコードに変化して演奏するとコンピューターなどで打ち込んだギターのような聞こえ方になってしまい、かえって不自然なんですよね。
人間らしいテイストを出すには、人間らしい曖昧な表現が必要なんですね。
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