今回は指先の爪をのばしていない時のギター弦の弾き方についての説明をしたいと思います。
僕はギターの弾きはじめから最初の6年間くらいは爪を伸ばしていましたが、
Tuck Andressさんのスタイルに出会い、学ぶようになってからは爪をのばさないで弾くスタイルに変化したという経緯があります。
どちらの奏法もそれぞれのメリットがありますので、そこは自分がどういうアプローチでギターを弾きたいかによると思います。
爪がない方が指先の弦に対する当たり方に制限がなく、多用なリズムに対応できると思います。
爪がないことで弦の弾き方のコンセプトはかなりユニークなものになります。
基本となるコンセプトは「身体に負担をかけない」ということになります。
弦を弾く為に関節を調節して良い音のためのピッキング角度をつくるのではなく、軽快でダイナミックな演奏のために身体や手、腕が伸びやかに動き、その結果としてダイナミックな音がギターから発音されるという考え方です。
「ギターに合わせてゆく」のではなく、「身体の動きにギターを合わせる」という事です。
そのあたりを考慮してギターの弦を右手で触りにゆくと写真のように手首をまげずにまっすぐにした状態のピッキング角度になります。
手首を折り曲げると前腕部の筋肉を曲げることの為に使ってしまって、常に腕に余分な力が入っている状態になってしまいます。
これが自然な身体の動きや神経回路の伝達を阻害して、素早い筋肉の応答をおこなえない原因になります。
また腕に長い事負担がかかっているので場合によっては腱鞘炎などの怪我をひきおこすことにもつながります。
身体の動きにあわせた奏法というのは怪我の防止のためにも大事なコンセプトだと考えます。
腱鞘炎に悩むギタリストの方はぜひ身体に負担がかかっていないかチェックしてほしいと思います。
手首を曲げなかったことで指先は弦に対して斜めに触れている状態になっています。
なので弦を弾く時はそのまま手を握るように指を動かして弦を斜めにはじきます。
この斜めのピッキングは指先の爪が長いと爪が弦に擦れてしまい良い音がしませんが、爪がない指先だと皮膚が弦にあたりますのでこの斜め方向のピッキングでも良い音がします。
指が手を握る動きと同じ方向に動かせるので力強くはじくことができるのがメリットで、結果太くてあたたかく大きな音量でギターを鳴らす事ができます。
ギターの弦を見ると反射的に垂直方向にひっかけてはじきたくなります。
しかしこれはピックを使った弾き方からくる視覚的イメージです。
実際の弦はどちらから、どのような形で弾いてもよいはずです。
もちろん斜めに弾くのも可能なわけです。
この斜め弾きの一番の利点は身体に負担をかけない事です。
このアングルの奏法を採用しているジャズのトップギタリストTuck Andressさんに話を伺ったところ、おかげで毎日4時間以上のステージを連日やっていても腱鞘炎にならないそうです。
ギターに身体をあわせて無理をするのではなく、身体にギターをあわせるという発想が大事だと思った瞬間でした。
みなさんも身体に負担をかけない演奏方法を考察してみてくださいね。
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